SUB DOCK-H 宇宙戦艦ヤマト Space Battleship YAMATO 2013-5
宇宙戦艦ヤマト

 WTCの搭載と波動砲回路

 

たもつ模型のWTCを1/500のヤマトに搭載する方法は、たもつ模型でヤマト用WTCを購入すると解説書が付いてくるのですが、せっかくのコラボモデルと言うことで、波動砲回路をWTCに搭載したことによってWTCの設置だけでなくLEDを搭載しなくてはなりません。そこで、WTCの当サイト共にLEDの搭載方法を考えて組み立ててみました。

船体改造編のパート1はWTCの搭載編です。ヤマトの場合大きく分けて2つの工程になります。まず第一にはWTCを搭載する走行系の工程と艦橋や主砲などの装飾系の工程です。

パート1はまず船体の制作とWTC搭載の搭載、そしてYDDockオリジナルメカの波動砲発射回路の搭載の解説を行います。


 
     

 ベースモデル

 

宇宙戦艦ヤマト  モデル情報
・ベースモデル:バンダイ 1/500 宇宙戦艦ヤマト
全長が約53cmあるプラモデルで、同じヤマトでも同社の1/500コズミックモデルとは別の金型。コズミックモデルは甲板が広く船に近い造形ですが、こちらはスリムでより宇宙船ぽい感じになっています。ヤマト2199も基本的にはこのプロポーションです。また、同社の1/350宇宙戦艦ヤマトの造形はその中間のような感じです。

RC化するサイズとしてはあまり大きくはありませんが、操縦性や持ち運び、保管などを考えると手頃なサイズとも言えます。今回たもつ模型のヤマト用WTCを使って作ったのは、多くの人たちにこのモデルのラジコン化を通じて水中モデルの世界を知っていただくためです。すでに1/500のヤマトのラジコン化はしていますが、内部パーツをすべて自作しているというのは、やはり初心者には大変な作業となります。

ですが、内部パーツが製品として購入できるならば、一番大変なメカ部分に関してはそれを使うことで作業時間を短縮しヤマトのラジコン化が可能になります。その一例としてこの企画を進めました。根気とやる気さえあれば3次元機動をするヤマトを手に入れられるのです。

このたもつ模型のヤマト用WTCを購入すると搭載するための改造マニュアルが付いてきますので、それを見ながら作ることが出来ますが、ここではオプションを一つ追加して波動砲ギミックを付けた物として制作していきます。この波動砲回路に関しては私のネットショップのSFYDD-Shopにて少数ながら販売する予定ですので、少々お待ちください。

ということで、制作をしながらポイントを解説していきましょう。


 
     

 まずは船体の組み立てから

YDD-ENTERPRISE1701-A

 
まず最初に船体を組み立てていきます。 船体の分割はこのようになっています。下のハルは前が左右2分割、後ろが一体型です。船体上部は左右のあわせになっています。WTCを搭載しメンテを行うには上下で別れるように作らねばなりません。

この方式だと、合わせ目をうまく合うように作るのが重要です。このモデルはスナップフィットで組み上がるので、船体の補強材を利用しながら組み立てていきます。


 船体の組み立て1



 


最初に上部船体を組み立てます。補強リブを使って左右を貼りあわせますが、この時接着剤は使いません。

リブの下側に下部船体に止めるための凸がありますが、これは切り取っておきます。こうしないと下部船体を接着したあと外せなくなります。

あくまでこの部分のリブは船体の位置あわせに使うために後で外せるように使用します。

 船体の組み立て2



 


上部船体が組み上がったら、上下船体を組み合わせてマスキングテープなどで止めて位置あわせをします。

この時に合わせ目がずれないように慎重に合わせてください。


 船体の組み立て3



 


船体下部を組み合わせて位置を合わせたらずれないようにマスキングテープで仮止めをします。

ぴたりと合わせてテープ止めし、内側から接着剤がでないようにぴったり合わせておきます。

 船体の組み立て4



 

船体をきっちり合わせたらプラリペアでつなぎ目を埋めるように接着していきます。

船体の上部の開口部からだと、すべてのつなぎ目にはプラリペアを漏ることが出来ないため、一旦盛れるところまでで硬化させて、あとは上下を外して塗りやすくしてからきっちり補強します。

この工程では接着剤にプラリペアをふんだんに使います。小さいパックでは足りないので大パックを用意することをお勧めします。接着剤だけで5000円という金額になりますが、実際その価値はあると思います。この強度と速乾性は捨てがたいです。

大パックでも1/3位使いますから実質約1800円ぐらいでしょうか。後々のことを考えると小パック2個より大パックをお勧めします。

 船体の組み立て5



 

 


つなぎ目の所を内側から埋めるようにプラリペアで固めていきます。

プラリペアは少量でもかなり強い強度を持ちますが、船体自体の補強という意味でも多めに塗って万全の強度を確保します。


 船体の組み立て6



 


プラリペアを塗り込んだら船体が完全硬化するまで、そのまましばらく放置します。

 船体の組み立て7



 


上下のハルは仮止めのテープを外せば上下に分けられます。この状態で完全硬化したらこの後はWTC搭載用に無駄な出っ張りをニッパーや電動リューターを使用してカットして行きます。


 船体の組み立て8



 

ここからは地味な忍耐作業になります。

WTCを搭載する位置などはたもつ模型のマニュアルを参考にしてください。
不要なリブは細かく力を入れながら慎重にカットしてください。
ここは必ずプラニッパーを使用してください。

内部の補強用のリブをカットしますが、一度に多くカットしようとすると船体に力がかかり破損することも考えられますので慎重にカットしてください。



 船体の組み立て9



 

だいたい大まかにカットするとこんな感じになります。実際にWTCを入れてみながら
きちんと合わせていきます。



 船体の組み立て10



 


また、切り口は電動リューターで削って整えます。電動リューターは試しに秋葉原やアマゾンで売っている1980円の充電式の安い物を使用してみました。


軸精度が悪く、穴あけなどの細かな作業には向きませんが、削ることに関しては多彩なビットが付属しているので、そこそこ実用的な物と言えます。ACの電動リューターだとパワーがあり過ぎて、プラが溶けてしまったりしますので、やや頼りないですがこのリューターでも十分実用的だと判断します。

同じ削るのでもACの物よりはパワーがありませんが、ゆっくりじっくり削ることでパワーを補ぅ事も可能ですし、パワーがありすぎて余計に削る失敗もあまりおきないのではないかと思います。



 船体の組み立て11



 



次はポンプジェットの取水口の開口と、船体内に空気が残る空気だまりにならないように、パーツを付けるところに穴を開けます。

空気だまりのままにしておくと、水中での走行中に僅かずつ水が入り。時間と共に浮力変化が起こり操縦性に影響してしまいます。ですから、最初から浮力室にしないのであれば穴を開けて無図が入りやすくしておいた方がよいのです。

 船体の組み立て12



 


ポンプの取水口は大きくとりたいのですが、デザイン的な制約などもあり、なるべく目立たないところに設けます。また、船体内にポンプを設置する場合、取水口の位置はあまり関係ありませんが、開口面積はなるべくなら大きい方がよいでしょう。



 船体の組み立て13



 

外側にドーム型のバルジを付けるところでは内側に穴を開けて空気だまりにならないようにしておきます。

艦橋の空気だまりに関しては船体改造2編で解説しますが、この船体改造の1では常に水没しているハルに関しての話を中心に解説していきます。

 船体の組み立て14



 


船体サイドのバルジ部分も両側では僅かながら空気が残ります。ここも空気が抜けるように船体の砲に穴を開けておきます。

ハルの基本は、バランスは浮力材と重りでとるので余分な空気だまりに関しては可能な限り無くすようにしていきます。この宇宙戦艦ヤマトに関してはどのサイズの船体も空気抜けが悪く、浮力調整に手を焼かされます。船体内部も突起や隙間に空気が残り、それが時間と共に水の中に溶け出して、最初の数分で合わせたバランスと走行30分後のバランスとは若干変化を起こします。

それを避けるために、あらかじめ水につけておき30分後にバランス調子という方法もあるのですが、どのみち毎回の走行時には時間と共に浮力変化が起こるのでそれも現実的な方法ではありません。

結局、最初に合わせたときよりもほんの少し浮力を多くしておくというのが相対的によいと思っています。これはこのモデルだけでなく、すでに作っている1/500と1350のヤマトにも言えることです。浮力調整システムを持たない艦なので、そのあたりは勘と経験で合わせていくしかありません。

 船体の組み立て15



 

船体後部のWTCの支え部分です。WTCの後部はここで支えます。このパーツに関しては自分で切り出すので、この写真を見ながら形を整えてください。少し高めに作って、合わせながら削っていく方法をとりました。こういう複雑な形状は測って数値で作るより、付けてから調整する方が早いでしょう。

補助エンジンの間に穴が空いているのはここにも水が溜まるために、水抜き用として開けています。この船体は水からあげたときに真上や真下に向けてなるべく水を出すようにしますが、船体内部に凹凸が多いため水切れの悪い船体となっています。
見た目的に開けたくない場合には開けなくてもかまいませんが、少しでも水を抜けやすくして早く内部を乾かすためという目的もあります。

 船体の組み立て16



 


今 回は搭載しませんhが、補助エンジンにLEDを追加できるように、船体内部に向けて穴を開けておきます。

あとで電飾化をしようとした場合に後から開けるのは大変ですから、最初から開けておけば後の作業が楽になります。

補助エンジンのノズルは接着しなくてもはめ込んでおくだけで大丈夫でしょう。心配な場合にはほんの少しだけEP001nを付けて仮止め状態にしておくとよいと思います。


 船体の組み立て17



 


さて、ここからはSFYDDオリジナル加工となります。
WTCに波動砲回路を組み込んだので、波動砲のLEDを組み込んでいきます。


ここで問題となるのが設置方法です。波動砲の発射口は上部船体にあります。しかし、LEDを上部船体に組み込むと上下分離時にリード線がつながったままとなります。これではメンテナンスをしにくくなります。

すでに完成している私の1/500の宇宙戦艦ヤマトの場合、艦橋の電飾や、砲塔旋回用のサーボヘのリード線など、上下船体を外した場合にもつながったままになります。これは機能的にいかんともしがたく、本人が作ったのでメンテ自体もあらかじめ想定していますが、波動砲だけでこの煩わしさを残すのもどうかと思うので、新たな搭載方法を考えました。

これはすでに就航させた1/500の宇宙戦艦ヤマトの時にも考えていたアイデアなのですが、製作工程順に間に合わなかったのでこちらで試してみることにしました。

上の写真はLEDをアルミパイプで支えて固定しています。たもつ模型のWTCの場合にはここの部分に余裕があるのでこういった方法が可能になります。


 船体の組み立て18



 


LEDを入れたパイプを支えているのが使わなかった船体補強のリブです。写真のように万能ハサミなどで切り出して8ミリφのアルミパイプと接着し固定台とします。固定用のアルミパイプは約2cm程度の長さです。8ミリφだと内寸が約6ミリなので、ちょうどLEDを少しずらして2個入れることが出来ます。白色は前に、青色はやや後ろにします。

台の高さは波動砲延長パイプとの位置あわせが必要なので、少し長めに作って、少しづつ削って合わせていきます。

 船体の組み立て19



 


波動砲の発射口への延長はアルミパイプで行います。つまりエクステンションバレルとでも言いましょうか・・・

延長するアルミパイプはLED側に10ミリφのアルミパイプを付けて光漏れを少なくしています。これも2cmていどの長さを用意して接着剤で延長バレルに接着します。バレルの長さは設置位置で合わせてください。

 船体の組み立て20



 


横から見ると固定用のアルミパイプと延長用のアルミパイプの位置がわかりやすく見る事が出来ます。

このようにバレル自体を斜めに配置することで船体を上下に外すときに、引っかかりを無くす事が出来ます。また完全に合わなくてもここからの光漏れはごく僅かなので、船体内に新たな遮光処置をする必要はありません。

延長バレルを固定するのは船体の左右をつないでいるパーツです。この部分をリューターで削っていきバレルの角度を合わせると同時に、この部分を使ってバレルを固定していきます。

仮止め用の黄色いテープの場所と波動砲発射口そばの組み合わせているパーツを軸線に合わせて削って位置あわせをします。

波動砲の発射口の透明プラパーツは塗装後に取り付けるので、この時点では延長の6ミリφのバレルは仮止めにしておきます。10ミリφのアルミパイプをがっちり固定しておきます。

また、波動砲の発射口は別パーツになっているので、この部分は最後に接着することになります。


 船体の組み立て21



 


上下船体を外すと上の写真のようになります。このような調整作業が必要になるので、上部の船体はこの作業が終わるまで仮止めのままにします。


 船体の組み立て22



 


船体固定のネジは艦首の下部に一本だけですが、たもつ模型のオリジナル指定位置より若干後ろに配置します。船体の後部の固定は波動エンジンのカウルの内部上部に船体から延長した爪で固定するのですが、前部はこのビス一本で固定します。オリジナル位置より若干下げているのは延長バレルの為なのですが。少し後ろ側にした方が固定する支点が短くなるために、固定しやすくなるようです。

というわけで、オリジナルパーツをここで投入です。プラ版とナット側を船体上部に合わせるように切り出して固定用のパーツとします。パーツの左右をプラ版でかさ上げしているのは、このへこみの間に延長バレルがおさまるようにしているからです。

取り付け方法の最初の手順は、だいたいの位置を決めたら船体下部から穴を開けます。


 船体の組み立て23



 


取り付けネジよりも長めのネジを用意します。

ここは実寸を測ってやるよりも、現物あわせした方が早いです。長いネジを使って船体下部から位置あわせが簡単にできるようにします。

 船体の組み立て24



 


取り付け時は写真のような感じになります。
この次点で船体上部は組み上げておく必要があります。位置を合わせる方法は白いプラ版を下に下げて左右の高くなっているプラ版にプラリペアを付けて、そのまま船体を上下に合わせます。その後、ゆっくりネジを船体に垂直になるように押し込んで、接着剤が付いた面を船体上部に押し当ててそのまま固定して硬化を待ちます。

 船体の組み立て25



 


プラリペアは10分程度放置すれば固まるのでそっとネジを外して固定を確認します。

外してから接着面の回りを再度プラリペアを使って補強し固定します。
完全に硬化したら実際に使用するネジを使って接合を確かめてください。写真のように適当なOリングをネジにはめることで、外で使うときにネジを落としたりすることが無くなります。ほんの僅かな費用でネジの落下・紛失を防げるのでお勧めのアイデアです。

 船体の組み立て26



 


船体後部に関しては、このようにプラ版もしくはアクリル板などを使って爪を作り波動エンジンのカウル内に引っかける形で固定します。ネジ一本で船体の分離が出来るのは本当に助かります。

 船体の組み立て27



 


船体の上下分割とWTCを並べてみました。

WTCの搭載工程は以上ですが、船体下部に重りを配置しなくてはなりません。ここはたもつ模型の解説に沿って配置してみてください。ただし、バランス調整は艦毎でも変わりますので浮力材の組み込みは各自工夫して合わせてください。このようにWTCと船体上下を完全分離出来るのはメンテや補修などの作業にとても有利です。さらに、別の船体を用意すれば、WTCだけ移して他の船体を楽しむことも出来ます。

私の他の艦のように専用で作り込むと、ギミックの搭載には有利ですがメンテや補修が大変です。ですから、こういったシステムというのもなかなか便利な物だと思います。

 船体の組み立て28



 


上部船体にはまだ浮力材を組み込んでいませんのでスカスカな印象ですが、艦橋や主砲などのパーツを組み込んでから浮力材を組み込みます。このバランスの取り方で操縦性にも影響が出るので、バランスとりは時間をかけてゆっくりやることをお勧めします。私の場合も昼間のお風呂を数時間占有して調整したりします。


 船体の組み立て29

picture-A1


 

さて、ここで情報を追加します。
この写真のように後ろを合わせると前のつなぎ目が空いてしまいます。最初に船体あわせの時にぴったり合わせたはずなのですが、なぜか僅かな空きが生じます。

??? たぶん、プラリペアの硬化が影響しているのかもしれません。合わせてから数日そのままで固定しておく必要があるのかも・・・

ですが、ここはネジで締めるとピタリと合わせることが出来ます。後ろの船体固定つめを支点に船体中央部が盛り上がる形になるので、ここをしめると船体が締まる力が強くなります。

それはそれで、都合がよいのかもしれませんが、それも程度問題です。こういう風になるのは以前作った1/500の同モデルのヤマトでもありましたから、プラリペアで合わせるとこうなるのかも知れません。その時は前のネジの位置を後ろにずらせなかったので、船体中央部の左右にネジを付け3点固定という方法をとりました。WTCと違い、各ユニットパーツがバラバラに船体に固定してあるので、船体下部の強度を確保する必要が生じたからです。

WTCの場合には固定してあるのが2カ所のU字型のガイドですから、この方法でも船体に無理な力が加わりにくく、かつ強度を保てるという方法なので有利なのでしょう。

もちろん3点止めの方ががっちり組み上がりますが、そこまでしなくても大丈夫そうな気がしています。



 船体の組み立て30

picture-A1

 


さて、ここまでで船体のへのWTCの搭載方法は終わりです。Part2では主砲や艦橋など補強などが必要なパーツを中心に解説していきます。


   
   
 
back