SUB DOCK-H 宇宙戦艦ヤマト Space Battleship YAMATO 2013-1
宇宙戦艦ヤマト

 四度目!の1/500ヤマト

 

1/500の宇宙戦艦ヤマトの制作2隻目は、たもつ模型とのコラボレートモデルとなりました。

すでに1/500のSFYDDヤマトは就航済みですが、たもつ模型からヤマト用のWTC+ポンプユニットが発売されたので、それを使って再度ヤマトに挑戦です。

挑戦と言っても走行系は出来ているのと同じなので、制作ガイドのような作り方をしていこうかと思います。たもつ模型のこのヤマト用のユニットは完成品もありますので、細かな制作をしなくてもある程度の技術さえあれば、比較的簡単に宇宙戦艦ヤマトの水中ラジコンを作る事が出来ます。

このWTCユニットは半完成品と完全組み立てキットがあり、普通は半完成品キットをお勧めしますが、この組み立てキットの制作を通して内部の仕組みなどを確認していただけると思います。

そう言う意味を含めて、私の方ではこの組み立てキットを使ってラジコン宇宙戦艦ヤマトを制作していきます。このユニットがあればヤマト以外でも水中ラジコン化が可能ですので非常に注目される製品となっています。

 
     

 モデル仕様

 

宇宙戦艦ヤマト  モデル情報 YDDock+たもつ模型コラボモデル。
・ベースモデル:バンダイ 1/500 宇宙戦艦ヤマト

走行メカニズム
・推進方式 ポンプジェット(灯油ポンプ改造)
・舵取り方式 3D推力偏向ノズルシステム (3D-ACTIVE DRIVE )

コントロールシステム 
・走行システム一体型WTC ←たもつ模型
・5ch R/C システム
・サーボモーター(GWS PICO×2)
・アンプ GWS ICS-50Li J
・受信機  Jetti REX5plus
・バッテリー AVIOPNICS lipo7.4vバッテリー 
・動力用モーター 6V用280 モーター
・Muratech製 マイクロマグネットスイッチ ←YDD特注品
・Muratech製 波動砲点灯回路 ←YDD特注品

電飾システム
・波動砲用3mmLED×2

**今回はYDDockオリジナル装備として、メカ自体をすべて独自にそろえました。
マグネットスイッチ一体型アンプはたもつ模型からこのヤマト用WTC専用の物
が販売されていますので、通常はそのチョイスが正解だと思います。非常にコン
パクトに作られていますので、初心者にも組み込みやすくなっています。

受信機に関しては、スタンダードクリスタルが使えるのでRex5にしています。
Rex5pulsはそろそろ入手困難なモデルとなっていますので、代替えとしては
私の手元にある物ではサイズ的にGWSの6chの40Mhz受信機が使えます。
また、コロナの4chシンセサイザー受信機も使用可能です。

今回使用している波動砲点灯回路は、今までの5chスイッチ固定推奨の物で
はなく新型の他のチャンネルでも使用可能なタイプの物で、4ch受信機でも
波動砲発射ギミックを追加できます。 プロポのレバー操作でもエネルギー
充填行程、発射~終息行程を任意で行うことが可能となっています。

この回路に関しては需要があれば私のネットショップの方でも取り扱うことに
なると思います。動作に関しては、このページ最後の動作紹介動画をご覧くだ
さい。


 
     

 たもつ模型のYAMATO用WTC

YDD-ENTERPRISE1701-A

 

たもつ模型から発売された、バンダイ1/500宇宙戦艦ヤマト用WTCのキットです。まずはこのWTCキットを作ってくれたたもつ模型の英断に感謝いたします。今まで、宇宙戦艦ヤマトのラジコン化をした人はごく少数であり、水密加工やラジコンメカ設定の難しさからかなり敷居の高いラジコン制作をしなければなりませんでした。しかし、このキットを使えば、完全に自作をするよりはるかに楽に3次元軌道をする宇宙戦艦ヤマトを作ることが可能になります。敷居の高かった水中モデルが手の届く範囲になったと言えるでしょう。WTC=WATER TIGHT CYLINDER

完成品の販売もありますが、YDDockとしてはここはオリジナルのメカ設定をしてみることと少々改造をしてみることにしました。すでに宇宙戦艦ヤマトに関しては私自身もほぼ完成型としての1/500モデルを作っていますが、このモデルも一工夫することで、ギミックを追加することも出来るのです。


 さすがの精度

picture-A1

 

●3Dノズルはすでに組み立て済み

半完成品だけでなく、キットでも3Dアクティブノズルは組み立て済みです。これはなんということでしょう、この部分は一番手のかかる部分です。それがすでに出来ていると言うことであれば、制作のハードルが一気に下がります。またこの部分とポンプのノズル部分の組み立ては位置あわせをするだけという簡単な物となり、完全自作の手間を考えれば工作時間の短縮になっています。

 

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  ●リンクロッドの防水加工済み
ノズル部分を動かす為にWTCからリンクロッドを出さなければならないのですが、この部分は稼働するので防水加工が必要なのです。これだけ小さなパーツで防水性能を高めることがいかに難しいか、実際に自作している人たちは痛感しています。多くのラジコンサブマリナーがたもつ模型のWTCをベースにラジコン潜水艦を作っていることがその証明でもあります。
 
 
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組み立ての最初は、サーボの取り付けから始めます。このサーボホルダーはGWSのPICO STDに合わせてあるのでPICO-STDを2個用意します。

 

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組み付けにはいる前にポンプを保持するホルダーと、このリンクロッドを出す穴の位置を合わせてマーキングしておく必要があります。リンクロッドを付けてからでも合わせられますが、最初にやった方が楽になります。
 
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このようにモーターホルダーの穴の位置をマジックなどでマーキングしておきます。ここで穴を開けてもいいのですが、先にサーボモーターの取り付けとメカの取り付けを進めます。


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サーボホルダーにPICOをはめ込むとうまくぴったりとはまります。ここで、サーボの取り付け位置にマーキングして、ピンバイスで固定用のネジ穴を開けていきます。PICOの取り付けスクリューは細いので1mm程度のドリル刃を使い、丁寧に穴を開けてください。


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穴を開けたら今度はキャップにサーボベースを取り付けます。このあたりの位置あわせの指定はこのWTCキットの説明書に書いてあるのでその通りに合わせます。一度位置あわせをして瞬間接着剤を付けて止めたら、サーボ、サーボホーン、リンクロッドを組み付けて問題なければ、すべて外してサーボホルダーをキャップにプラリペアで固定します。このあたりの行程はWTCキットの製作説明書にあるのでよく読んでください。


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キャップとリンクロッドのベースとの接着はEP001Nを使います。指定ではここはエポキシ系の接着剤ですが、EP001Nの防水能力の高さから私の判断でこちらの接着剤を少量使うことにしました。私のサーボケースの真鍮ロッドベースもこの方法で付けているので問題ないでしょう。ただし、外にはみ出した部分には劣化防止卯のためにスーパーシールを少量保護として塗ることをお勧めします。



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  接合したら リンクロッドの通る穴にシリコングリスを注入して、動きがなめらかに なるのと同時に防水性能を高めます。 その後リンクロッドをサーボ本体に取り付けます。


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  ロッドを組み付けたら一度アクリルパイプにはめてみてサーボホーンとロッドがアクリルパイプに干渉しないことを確認します 。


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メカを組み付けるためのマウントベースをアルミ板で作ります。アンプ、受信機、マグネットスイッチ、波動砲回路をこのスペースにまとめて搭載します。こういう事をしなくてもまとめて入れてしまえばそのままでも使える・・・のではありますが、ここはなんとなくきっちりはめ込んでみようと思います。それに、マグネットスイッチを動作させるリードスイッチはどこかに固定する必要があるので、アンテナと一緒に内部にうまく固定するようにしてみます。もともとRex5は受信性能がよいので、あえてアンテナを外に出さないセッティングをしようと思います。


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このアルミのマウントベースをサーボホルダにネジ止めしてしまいます。アルミ板は0.5mmを使用しているので、簡単に工作できます。展開図に沿って切り出したら後は折り曲げるだけ。この部分はアクリルパイプに干渉しないサイズにしています。また、余分な部分は後でハサミでカットしてしまうことも可能です。



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受信機、アンプ、マグネットスイッチ、波動砲回路は、受信機の周りに両面テープで接着します。受信機が本体のベースとなります。この時各機器をアルミ板でU字型に挟んでアルミ板を貼り付けるようにすると両面テープがよく着き、ノイズ干渉を防げると同時にアンプの発熱などがある場合でも効率的に放熱できます。

 

   
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受信機の周りにこのように配置しました。波動砲発射回路を一番下にしているのは、WTCのアクリルケースからリード線を外に出さねばならないのと、全体をまとめた時に収まりがよくなる為です。波動砲の配線をアクリルケースの一番下から出すのは理由が二つあります。一つはサーボホルダーやサーボの位置から干渉しないところから出したいと言うことと、物理的にパイプのの真下から出す方が万が一の場合でも上部にあるときに比べ浸水しにくくなるからです。

 

   
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マグネットスイッチを動作させるリードスイッチはWTCの先の方に配置するためにプラ版で延長して固定してあります。プラ版にリード管とコードをマスキングテープを使って固定してしまいます。各部の固定には両面テープを使用していますが、両面テープで付けにくいところはスコッチの紙製のマスキングテープを使って固定しています。アンテナ部はプラパイプを使ってメカの外側の両サイドに固定しています。

このアンテナの扱いに関しては、実はあまりよくわかっていません。私の場合も通常はケース外に出して水中に設置することが多いのですが、その場合、周波数に合わせた長さを延長して使用しています。この場合、水中での受信と言うことで、元の長さより長い方がよくなるのは確認していますが、私のシーガルのように船体内の空気がある部分を這わせた場合には、オリジナルの長さのまま使用していますし、それでも特に問題ありません。 つまりWTCの中の空気がある部分に設置すると空気中のサイズでよく、アンテナを水中に出した場合には、周波数の倍数に合わせた長さに設置するというルールにしていますが、これが正しいのかどうかは正直よくわかりません。


   
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メカが組み込めたら今度はモーターケーブルをWTCのキャップから外に出します。この部分は隙間をEP001Nで埋め込んで接着します。リンクロッドの所がグレーなのはスーパーシールで保護しているからですが、このあとモーターホルダーを組み付けるのにあまり広がりすぎると不都合なので、余分なところはカッターなどで軽くカットします。

 

   
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先ほどマーキングした所を大きめのドリル刃で穴開けをします。この穴は少し大きめにして位置あわせをしやすくします。

 

   
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リンケージの接合部はイモねじ付きのジョイントで止めるので、やや大きめの穴を開けます。この部分はポンプの吸水口にも流用するので強度を下げない程度に大きめの穴を開けていきます。最初にドリルで穴を開けたら、後はデザインナイフなどで穴を広げていきます。

 

   
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カッターで穴を開けるとこうなります。形状や位置は給水効率にはあまり影響がありませんが、大きい方が抵抗が少ないのは言うまでもありません。大きめというのはジョイントの接続も楽になると言うことです。

 

   
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このポンプのホルダーはWTCのキャップと両面テープで固定します、面全体にべったり貼ってしまって、穴の部分をカッターなどで穴開けをしてキャップと接合します。ここに使う両面テープは耐水性があり、強力なタイプの物です。私が使用しているのはニトムズの超強力ポリプロピレン用の両面テープです。厚みが薄いので、この場合は二重貼りをしています。

 

   
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WTCのキャップに接着したらリンクロッドを組み付けます。イモねじの先をヤスリで削って平らにします。こうすることで圧着を強くし、しかもとがった先でロッドを傷つけないので後での調整がしやすくなります、こうしておかないとほんの少し動かしたい場合、溝にはまってうまくできないことがなくなります。

 

   
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組み付ける灯油ポンプのモーターを6v仕様の280モーターに換装します。この時ノイズキラーコンデンサーを使ってブラシからのノイズを防止します。ポンプの改造に関してはBuleWorldのHPに改造方法を寄稿していますのでそちらをご覧ください。私のUWVレポートのパート4にも最新版の情報をおまけで付けています。

 

   
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ポンプの製作で違うのはノズルを付けているキャップエンドの形状がたもつ模型とちがうので、モーターケーブルの出す処理が違います。このように縁から出しますので、ケーブル分だけ切り込みを付けておくとよいでしょう。

 

   
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3Dノズルとの位置関係はこんな感じです。組み付け方はキットの解説書に書いてありますが、噴射口からノズルの中に入ってはいますがノズルの動きには干渉しない位置までにしなくてはなりません。この部分は実はここまで中に入れなくても大丈夫です。ノズルに入る手前ぐらいでも問題ありません。

 

   
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ポンプと3Dノズルとの接着が終わったらモーターケーブルの配線をしていきます。この部分はポンプの交換やメンテなどでコネクタ接続をした方がよいでしょう。モーター自体は数年使用可能ですので、あえてハンダ付けしてしまう方法もあります。コネクタを使う時にはリード線の先をハンダで埋めてしまいます。こうすることでここから毛細管現象で漏水するのを防ぐことが出来ます。

 

   
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コネクタは電工用の小型の物を使用しています。この部分はあえて水密/防水加工をしていません。電工用なので、そのまま水没させて使用しても数年レベルで使用可能です。接触が悪くなったらコネクタ自体を付け替えることで対処も出来ます。このSFYDDの製作モデルはすべてこれで水中配線をしています。この配線で数年レベルでの経年変化にも対応できます。

 

   
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組み付けるとこんな感じになります。ここは2199のように艦番号と名称をステッカーで貼りました。BBY-01 YAMATOの次元波動振幅反応炉機関。なんとなくそれらしくなりました。ノズルからzジョイントとのつなぎはたもつ模型の指定ではハンダ付けですが、ここはあえて真鍮製のロッドジョイントを使用してみました。こうすることで船体に組み付けたときに外さなくてもノズルのリンク調整が可能になります。通常はここまでやれば完成なのですが、これ以降はオリジナル行程になります。

 

   
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特注品の波動砲回路を搭載していますので、この回路からLEDへの結線を作業します。波動砲回路にLED用の抵抗が組み込まれているので、防水処理をしたLEDを結線していきます。そしてこの部分のリード線をWTCのアクリルパイプから外に出さねばなりません。アクリルパイプを通すコードの両端は接続コネクタが必要になりますので、単純にコードだけを抜くことは出来ません。つまりコード自体はWTCと完全に接着して水密化しなければなりません。回路側、LED側と両端にコネクタがある必要があります。LED側になければ船体に固定したLEDと切り離せませんし、回路側と切り離せなければメンテするときにアクリルパイプとつながったままとなります。

両方ともそれでは不都合なのですが、アクリルパイプ内にはあまり余裕がありません、そこで秋葉原で基板用のコネクタを買ってきて回路側とWTCとの分離を出来るように組み込みました。このサイズなら問題なく入りますし、LED自体は大きな電流は流れませんので、小型の物で十分です。

 

   
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配線を出す位置を決めたらリード線と同じサイズのドリルで丁寧に穴を開けていきます。この回路は2つのLEDを使用するのですが、配線の複雑さを少しでも減らすためにマイナス側は一本で共用することで3本のリード線で配線できるようにしてもらいました。

 

   
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線を内側から通していき、通し終わったらWTCを組み上げて位置を確認したらコードとWTCをEP001Nで固定して水密化をします。

 

   
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配線の先のLEDユニットは2個のLEDをアルミパイプの中に入れて固定してあります。このユニットを波動砲の発射口近くに設置して固定します。その方法は戦隊改造編で考えていきましょう。このユニットはアニメの通り、次元波動爆縮放射機としました。アルミパイプを使っているのは固定しやすいのと、この部分だけでも完全な遮光ができるからで、船体内部を黒く塗らなくても使えるからでもあります。 LEDは3mmを使用して点滅用には青色のアクリルカラーを塗ってあり青白く点滅します。動作は動画で見ることが出来ます。YDD1/500ヤマトの波動砲とほぼ同じ動作をしています。

 

   
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組み付けて完成した波動ユニットです。なんだかメカっぽくていい感じになりました。たもつ模型の完成品より少しごつくはなりましたが、これはこれでメカっぽくてよいでしょう。ユニットに貼ったステッカーも自作で、耐水なのでこのまま水につけても全く問題ありません。部品調達に少々時間がかかりましたが、メカが全部そろえば2時間ずつ3日ぐらいでここまで作れます。接着剤の乾燥時間も必要なので1日で作るのは少々難しいですが、せっかくのホビーですのでワクワクしながら時間をかけてゆっくり作りましょう。もちろん、完成品を購入して船体への組み込みから始めるのもよいと思います。

右下のキーチェーンはネオジムマグネットで、ベルト通しに付けて磁石だけ引き出してスイッチとして使える物です。白い部分は磁石になっていますが、裏側にはエラストマーゴムシートが貼ってあり、こすれても色写りとかしないので船体にこすって使っても安心です。アクアモデラーズのメンバーに配って使用感を試してもらっていましたが非常に好評ですので、今度ネットショップでマグネットスイッチを販売するときにセット販売する予定です。マグネットスイッチは売っていますが、マグネットスイッチを動作させるマグネットというのは皆さん独自工夫していたので、自分が使いやすい物を作ってみました。

さて、ここで一通りWTC/パワーユニットが完成したので、次はいよいよヤマトに搭載する行程を進めていきます。

   



 WTC動作解説映像



 

たもつ模型製YAMATO用WTC動作紹介
撮影:Y_D_Dock
2013
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